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ビットコインに対する国家レベルの需要は拡大している。運用資産総額が13兆ドル（約1,950兆円）に達する資産運用会社ブラックロック（BlackRock）のラリー・フィンクCEOは、主権系ファンドが最近の下落局面で継続的にBTCを積み増していると述べた。
フィンクCEOは、各国が短期取引ではなく、長期的な投資戦略の一環としてビットコインを購入していると強調した。これは、ビットコインがインフレや国家債務に対するヘッジ資産としての役割を強めていることを示している。
世界の大手金融機関が戦略的にBTCを配分する新たな時代に入りつつある。これにより、ビットコインの価格動向は支えられ、暗号資産市場全体の流動性も高まるとみられる。
それでは、どのプロジェクトがビットコイン需要の拡大によって最大の恩恵を受ける可能性があるのか。今後数か月で魅力的となり得る有望なアルトコインを三つ取り上げる。
主権系ファンドがビットコインを長期保有目的で買い増し
主権系ファンドがビットコインを長期保有目的で購入している。ブラックロック（BlackRock）のラリー・フィンクCEOは、水曜日に開催されたニューヨーク・タイムズのディールブック・サミット（DealBook Summit）に登壇し、国家がビットコインの下落局面で買い増していると述べた。
フィンクCEOは「長期保有を前提とする正当な投資家が増えている」と語り、「12万ドル（約1,800万円）や10万ドル（約1,500万円）の水準で、さらには8万ドル台（約1,200万円台）でも主権系ファンドが段階的に購入していたことを把握している」と付け加えた。
JUST IN: 🇺🇸 BlackRock's Larry Fink says sovereign wealth funds are buying Bitcoin
"I know they bought more in the 80s."
Hearing this from the world’s top fund manager is INSANE 😅 pic.twitter.com/KneQ2eXB72
— Bitcoin Archive (@BitcoinArchive) December 4, 2025
さらにフィンクCEOは、これらの主権系ファンドが「長期ポジション」を構築しており、ビットコインを「短期取引として扱っていない」と強調した。世界最大の資産運用会社を率いる人物として、国家がビットコインを採用する理由に対する彼の見解は重要である。彼によれば、各国はBTCをマクロヘッジとして活用しており、これは金融上層部で長期的な確信が高まっていることを示す。
ビットコインを購入している主体について、フィンクCEOは、アブダビのムバダラ投資会社（Mubadala Investment Company）やルクセンブルクの主権系ファンドが最近の購入者に含まれると述べた。ただし、こうした情報は市場関係者の間ではすでによく知られているという。
より多くの主権系ファンドが長期的な観点からビットコインを積み上げれば、資産の需給構造が根本的に変化し、流通量の一部が恒常的に市場から吸収される可能性がある。
これはビットコインの長期的な見通しを強め、底値形成を後押しする要因となり得る。結果として、ビットコインだけでなくアルトコイン市場にも上昇余地が生まれる可能性がある。これを踏まえ、今後大きく動く可能性のある三つのアルトコインを見ていく。
ビットコイン・ハイパー（HYPER）
Bitcoin Hyper は、ソラナ・バーチャルマシン（Solana Virtual Machine、SVM）上で動作するビットコインのレイヤー2（処理を分担する拡張レイヤー）ブロックチェーンである。市場で最速のビットコイン向けスマートコントラクト対応レイヤー2を目指し、ソラナに匹敵する速度を実現する構想だ。
このレイヤー2に備わるトラストレス（信頼不要型）のカノニカルブリッジを通じて、ユーザーはBTCをBitcoin Hyperとの間でシームレスに移動できる。これにより、BTCの送金は低コストかつ高速となり、デジタル少額決済から国際送金まで幅広い用途が開かれる。
ビットコインは取引手数料が高く、清算に最大1時間を要する。一方で、Bitcoin Hyperへブリッジし、Wrapped BTC（WBTC）を送れば、数分で取引が完了し、コストも大幅に低減される。ただし、価値は決済だけではない。Bitcoin Hyper が備えるスマートコントラクト機能により、DeFi（分散型金融）、ミームコイン、RWA（現実資産のトークン化）など、多様なユースケースが可能になる。
現在、Bitcoin Hyper はプレセールを実施中で、2,900万ドル（約435億円）を調達している。これは進行中のプレセールの中でも最大規模の一つであり、市場の強い需要を反映している。
ビットコインの採用が広がるにつれ、より高速・低コストかつプログラム可能なBTCの需要は高まるとみられ、HYPERはその潮流の中で有利な位置を占める可能性がある。
イーサリアム（ETH）
ブラックロックは現在、ビットコインとイーサリアムの2種類のみでETF（上場投資信託）を提供している。ある意味で、イーサリアムは、価値保存だけでなくプログラム可能という点でBitcoin Hyperと類似した役割を果たす。
ただし、イーサリアムは独立したブロックチェーンとして運用され、独自のコンセンサスメカニズム（合意形成方式）とルールに基づいている。また成熟度も大きく異なる。イーサリアムは時価総額で第2位の暗号資産である一方、Bitcoin Hyper は始動段階にある。
主権系ファンドはすでにETFを通じてイーサリアムを購入できる。また、ブラックロックはステーキングされたイーサリアムETFも申請しており、投資家は価格変動だけでなく利回りにも連動した投資が可能となる。これは価格変動のみを提供するビットコインETFよりも魅力的になり得る。
Missed the Fusaka network upgrade?
13 Ethereum Improvement Proposals (EIPs) are now live on Mainnet.Here’s Fusaka in 35 seconds. pic.twitter.com/DlUh1ATA55
— Ethereum (@ethereum) December 4, 2025
さらに、イーサリアムはネットワーク手数料の一部を焼却（バーン）する仕組みを持つため、ETHが主権系ファンドから選好される理由は明確といえる。加えて、今週はFusakaアップグレードが実施され、ユーザー体験が改善されただけでなく、レイヤー2から発生する手数料の一部が新たに焼却されるようになった。
PEPENODE（PEPENODE）
PEPENODE は、イーサリアム基盤のGameFi（ゲームと金融を組み合わせた分野）エコシステムであり、暗号資産マイニングをテーマとしている。ユーザーは仮想のマイニング設備を構築し、ハッシュパワーを生み出すことで、PEPENODE報酬を得る仕組みだ。
ゲームアカウントを作成した後、ユーザーはPEPENODEトークンを使ってマイナーノードを購入する。ノードは強化でき、異なる種類のノードを組み合わせて出力を高めることもできる。組み合わせによって結果は異なり、最適な構成を見つけるには試行錯誤が必要となる。
また、マイナーノードはいつでも売却でき、利益確定や運営の再編が可能である。さらに、ストアで使用されたPEPENODEトークンの70％が焼却されるため、強いデフレ圧力が生じる。
現在、PEPENODEはプレセールを実施しており、227万ドル（約34億円）を調達している。これは初期段階のGameFiプロジェクトとしては堅調な水準だ。
イーサリアム上に構築され、実際に収益が期待できる戦略型ゲームを提供するPEPENODEは、現在購入できる有望なアルトコインの一つといえる。また初期段階にあるため、イーサリアム価格が上昇すれば、その成長余地はさらに拡大する可能性がある。
